領収書にかぎらず、請求書や通帳などの会計処理の原始資料、総勘定元帳や決算報告書など1年間の決算が終わると出来上がるものは、
よくある質問でも触れています(「返却された資料は捨ててしまってよいでしょうか?」)が、一定期間保存しなければなりません。
今回は法人に着目し、会社法と税法それぞれに規定がありますので、簡単に確認をしておきます。
会社法で定める保存期間
会社法とは、会社の設立・組織・運営・管理等を規定した法律です。
保存期間について、会社法では株式会社、持分会社(合名会社、合資会社又は合同会社)ごとに規定されていますが、
ともに10年間とされています。
会社法は、電子政府の総合窓口(e-Gov)で閲覧が可能です。興味がある方はこちらで条文をご確認ください。
・株式会社→第432条、第435条
・持分会社→第615条、第617条
税法で定める保存期間
原則は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。
たとえば、令和3年3月期決算の法人の場合、提出期限は令和3年5月31日なので、そこから7年間=令和10年5月31日まで保存しなければなりません。
しかし、青色申告を行った事業年度で税務上の欠損金が生じる申告の場合には例外があります。
その申告を行った事業年度が平成20年4月1日以後に終了した事業年度であれば9年間となります。
また、平成30年4月1日以後に開始する事業年度については10年間となります。
参考:国税庁タックスアンサーNo.5930「帳簿書類等の保存期間及び保存方法」
結論
会社法と税法とで保存期間が異なり、どちらに従うかべきかという問題があります。
税務調査対策を主に考えると、税法で規定する保存期間だけ保存しておけば大丈夫です。
しかし、会社の株主や債権者、利害関係者への対応として考えると、会社法上の保存期間に従わなければなりません。
また、会社法第976条で、「正当な理由がないのに、書類…の閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付…を拒んだとき」は、
100万円以下の過料を科されるという罰則規定が設けられています。
これらの点を踏まえると、最長期間である会社法で定める10年間保存をしておくのが安全策と考えられます。